時季外れ

家から10kmほど北へ行くと、合歓の木(ネムノキ)の咲く道がある。

車ならば10分と少し。途中に小さな水力発電所のある川沿いの綺麗な山道、温泉宿の並ぶあたりに花が咲く。

夏の初めに、ソレを撮るツモリが逃した。

僕には、過ぎた日を何度も何度も思い返す習慣がある。そうしても事実が変わらぬことは承知している。けれども、ソノ価値を育むことは出来るし、今へ向かう強さも得られる。だから、疎かにせず向き合い、刻まれたモノを胸に歩く。

とは言っても、たまには目を逸らしたいこともあるわけで。

秋は、闇雲に駆けた。一人では賄いきれぬ仕事も躊躇なく受け、膨れる課題に追われ、優しい人たちに助けられながら、進んだ。

そろそろチカラも尽きそうな師走のある日、夏の朝に咲き夜に閉じるソレを山で見つける。時期外れの合歓の木。

立ち止まり、花を眺める。

見つけるまで忘れていたけれど、ずっと探してたのだと思った。

時期外れ。的外れ。道外れ。それでいい。僕は探してたのだと思う。

きっと、温泉の温かさが木を勘違いさせたのだろう。

ソウ思ったし、すぎた季節はもう戻らないけれど、僕も束の間、勘違いに浸り、写真を撮った。

夢でも咲く。

合歓の木
Posted by undoandy
Category : 三ツケニ
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